「作業療法士はやめとけ」
「将来性がない」
「給料も低いし、責任ばかり重い」
ネットや現場では、そんな声を見聞きすることも少なくありません。
今働いている人、これから目指す人にとって、不安になる言葉かもしれません。
私も作業療法士として10年以上になりますが、「やめといた方がいいのかな…」と悩んだ時期が何度もありました。
この記事では、実際に作業療法士として働いてきた中で「やめとけ」と思った瞬間や、逆に「やっぱこの仕事も悪くないな」と思えたできごとについて、まとめてみました。
これから作業療法士を目指す方、いま作業療法士として働いていてしんどさを感じている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです!
作業療法士「やめとけ」と言われる1番の理由は思ったほど給料が良くない
「やめとけ」と言われる理由をXやWebサイトから調べ、またワイの実体験も交えて紹介します。
作業療法士はやめとけと言われる理由1. 責任の割に給料が低い
まずは「責任の重さに対して、給料が見合っていない」という声が圧倒的でした。
患者様の生活を支える重要な仕事にも関わらず、平均年収は427万円〜432万円とされています。
これは他職種と比較するとやや低い結果となります。
職種:平均年収(万円)
医師:1,430〜2,400
薬剤師:810.4
診療放射線技師:543.7
看護師:519.7
保健師:521.2
リハビリ職種:430.7
准看護師:417.2
栄養士:379.1
AI(Perplexity)による参考情報
あくまで平均ではあるので、これからの動き次第では年収アップも期待はできます。

私も30代で平均以上はいただいています。
作業療法士はやめとけと言われる理由2. キャリアアップが難しく、国家試験の合格者数が年々増えている
他の理由としては、キャリアアップの難しさや作業療法士の人数が増えすぎたことによる働き口の減少が挙げられていました。
作業療法士という仕事はそもそも、病院外の一般職種と比べて役職が少ないです。
役職にはそこまで興味がない方も多いですが、昇給などを考えると無視できない要素です。
また大学、専門学校などの育成校も2025年時点で200校近くあるとのことです!
人数にして年間4000〜5000人程度増えているとのことです。
今後の高齢化社会に向けて需要が増えることは間違いないのですが、供給も多いので働き口は少なくなっているようです。
先に挙げた「給料が安い」にも関係しますが、人数が多いことで人気のエリアでは給料が低くなる傾向にあるとのことです。
作業療法士はやめとけと言われる理由3. 精神的なプレッシャー・人間関係
こちらも多く見られた理由の1つです。患者様の生活に関わるということで
「自分にできるのだろうか」
「自分のせいで悪くなってしまったらどうしよう」
などプレッシャーに感じる場面は多いです。
また医療職種全般に言えますが、他職種連携が必須なので、人間関係に悩むことも多くあります。リハビリテーション部門内ではもちろんのこと、医師、看護師、他医療スタッフなどたくさんの方とコミュニケーションをとる必要があります。

陰キャな私には辛い…
作業療法士はやめとけと言われる理由4. 患者様からの評価がわかりづらい
まず作業療法士という仕事自体、説明するのが難しいですよね……。

再び日常生活が送れるように〜
あなたにとって大切な作業が〜
とか言っても、

ふーん
とあいまいな返事が返ってきます。
よくないとは思いつつもめんどうなので、作業療法士10年以上経っている私は「腕の運動」と伝えてしまいます。
理学療法は歩くこと、言語聴覚療法は話すもしくは飲み込むが何となくのゴールと決まっているのに対して、作業療法は「患者様の生活」と範囲が広すぎて評価が得られづらいと感じます。
実際に働いて感じた作業療法士「やめとけ」と思う人
向いてないと感じる人がいることも事実です。
作業療法士「やめとけ」と思うの人は、人付き合いが苦手な人
作業療法士は、コミュニケーションが苦手だと正直しんどいです。
患者様・利用者様との関わりに加え、医師・看護師・他職種との連携も日常的に必要です。
働く場所によって頻度は違いますが、はじめましての連続。

私は急性期病院所属なので、ほぼ毎日はじめましてがあります。
人との関わりが苦手な方には、辛く感じることが多いかもしれません。
作業療法士「やめとけ」と思うの人は、合わせるのが苦手
作業療法士は「その人に合わせる力」が大事な職種です。
理学療法や言語聴覚療法以上に、“その人らしい生活”を取り戻すサポートが求められます。
自分の考えを押し通すよりも、「相手に寄り添う姿勢」が求められるので、
自分軸が強すぎるタイプは少し疲れるかもしれません。
成果が数字で見えないとやりがいを感じづらい人
数字や結果が見えることでモチベーションが上がる人には、ちょっと向かないかもしれません。
作業療法は「生活の質の向上」など、評価がどうしても主観的になりがちです。
理学療法のように「10mを◯秒で歩けるようになった」みたいな成果が見えにくいぶんやりがいを感じづらい可能性があります。
番外編:まじめすぎる方
まじめなことはすばらしいのですが、「まじめすぎる」は逆辛い場面もあります。
実際、私の後輩で、
- 上司の理不尽な指示に真面目に応えようとして疲労
- クレーム気味の患者様の言葉を真に受けて落ち込む
という方がいました。
「ちょっとテキトーなくらい」がちょうど良いのかもしれません。

私くらい脱力してる人の方が長続きします。
作業療法士が逆に向いてる人
逆に向いてる方の特徴も3つ挙げます!
相手の個性を尊重できる人
作業療法士は人それぞれに合った生活がもう一度できるように援助していく仕事になります。
そのため、人の個性に合わせて、それを尊重できる方には向いているといえます!
患者様の中には

音楽教師「ピアノが弾けるようになりたい!」
主婦「家事ができないと帰れない!」
みなさん「身の回りのことだけは自分でできるようになりたい!」
などなど、様々な希望があります。

いろいろな人に合わせられる人は強い!
相手の変化に喜びを感じられる
先ほど数字で見えないとやりがいを感じない方に作業療法士は向いていないとお話ししました。
逆に生活面などの細かい変化に気づき、喜びを感じられる方に作業療法士は向いていると言えます。

箸がつかいやすくなったよ!
スマホ操作ができるようになったよ!
など、数値では測れないけど、喜びを感じられる部分も多くあります。
地道な積み重ねを大事にできる人
正直に申し上げて作業療法の仕事は地味なことが多いです。
理学療法のように大声を出して「歩く」こともなければ、言語聴覚療法のように「飲みこみや話」のようにわかりやすいものではありません。
日々の勉強もそうですが、仕事内容自体も地道な積み重ねが中心になります。
食事が食べられるように箸でつまむ練習をしたり、着替えられるように繰り返し練習したりととにかく地味です。
そういった作業を少しずつコツコツ続けられる方には向いている仕事だと思います。
作業療法士「やめとけ」に耳を傾けず、向き不向きを知ることが大事
やめとけと言われることがある作業療法士ですが、向き不向きを知ることで、働き始めた時のギャップが減ると思います。
向いてないことが悪いことではありません。
人付き合いが苦手だと感じる方は人付き合いの必要ないパソコン作業。成果が数字で見えた方がモチベーションにつながる方は理学療法士などの方が分かりやすいかもしれません。
実際に働いてる身からすると、責任の割に給料が安いことが多いこと、人付き合いに疲れることがあることも事実です。
私が実際に辞めたいと思ったときのアクションは下記でまとめてます。

「給料に不満がある方」「働き方を見直したい方」は、一度転職を検討してみるのも手です。
作業療法士の仕事が自分に向いているか向いていないか、冷静に考えてみてください。
作業療法士になるか迷ってる人へ伝えたいこと
少しネガティブな情報もありましたが、私は作業療法士の仕事が好きですし、なって良かったと思います。
確かに責任の割に給料が少ないと感じることはありますが、いろいろな患者様の個性に寄り添えることはとても楽しいと感じます。
良い環境で働ければ、給料も平均以上には頂けます。
また日々忙しくは感じますが、基本的に夜勤等はないことがほとんどです。自身の生活バランスを整えやすいことは大きなメリットだと感じます。
まとめ:作業療法士はやめとけと言われることもあるが、患者様に寄り添える良い仕事
責任の割に安い給料や精神的なプレッシャーなどから「やめとけ」と言われることもあります。
それでも、患者様それぞれに合わせたリハビリをさせて貰って、少しずつ生活が良くなっていく姿を見られるのはとても嬉しいです。
ぜひ1つ参考になれば嬉しいです!
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